【仮想通貨】 外国人観光客へのサービスやボランティア活動の支払いに

仮想通貨という方法での”地域通貨”の活用が世界で広がりを見せています。英リヴァプールでは、外国人観光客と地元を結びつけるべく、昨年、仮想”地域”通貨が発行されました。また同じく英キングストン・アポン・ハル市では、ボランティアの支払い目的の仮想通貨が発行されています。

仮想通貨による”地域通貨”が日本だけでなく世界で広がりを見せています。

紙やコインなどでの”地域通貨”は発行の際のコストの問題やフィジカル通貨ならではの浸透の問題もあって、なかなか広がりませんでしたが、、、

仮想通貨ならば、もしかしたら、そのハードルを越えるのかもしれません。

 

英リヴァプール、2017年に仮想”地域”通貨発行

 

「ブロックチェーンで環境都市を目指す」としたイギリス・リヴァプール。
同市がブロックチェーンへの抵抗がそれほど強くないのは、過去に仮想”地域”通貨を発行した経験があるからかもしれません。

昨年2月、テルアビブを拠点とするスタートアップColuはリヴァプール市内の商業者団体「Independent Liverpool」と提携し、仮想”地域”通貨を発行しました。

Independent Liverpoolは、最初は小さなコーヒー屋から始まったのですが、現在では数百人規模の商店組合になっています。
組合に加入する店舗では旅行者向けに独自の割引サービスなどを行っている模様。

Independent Liverpoolと提携することで、Coluは地元でも旅行者でも使えるデジタル通貨を備えることで、イスラエルからリヴァプールまで幅広くサービスを提供することを計画している

出典:Moment of Truth for EOS: What’s Next for $4 bln EOSIO Following Launch of v1.0

In partnership with Independent Liverpool, Colu is planning to expand their services from Israel to Liverpool by deploying a digital currency which both the locals and travelers can use

非営利団体(Independent Liverpool)自身が自らデジタル通貨を発行しようとしたこともあったが、デジタル通貨の成長及び採用にいたるまでの明確なビジョンとロードマップが描けなかった(ために失敗した)

出典:Moment of Truth for EOS: What’s Next for $4 bln EOSIO Following Launch of v1.0

Non-profit organizations have also tried to deploy digital currencies but a lack of clear vision and roadmap stalled the growth and adoption of digital currencies.

しかし、ColuのCEOは、実際にアクティブな投資家を背後に抱えていることもあり、そのビジョンについては非常に明確に持っている模様。

このデジタル通貨でも単に旅行者と地元をつなぐだけでなく、”デジタル”の特性を生かし、旅行者がどのような商品やサービスを好むかなどのデータを蓄積。
そのデータを地元の商店街がマーケティングなどに使えるようにしています。

英キングストン・アポン・ハルでは「ボランティアへの支払い」に活用

さらに、英キングストン・アポン・ハルでは仮想”地域”通貨ハルコインを発行。地元住民へのボランティア活動の報酬手段として活用されています。

「Hullcoin」に会員登録した住民は、スマホアプリから、ボランティアの募集情報をチェックし、希望するものに応募する。

出典:世界初のローカル仮想通貨が英国の地方都市で導入される | Techable(テッカブル)

指定された活動やタスクが完了すると、スマホアプリを介して、報酬の「Hullcoin」が発行される流れだ。

出典:世界初のローカル仮想通貨が英国の地方都市で導入される | Techable(テッカブル)

カフェやショップ、理髪店など、地元の事業者は、「Hullcoin」に加盟し、「Hullcoin」と交換できる特別な商品・サービスを提供することで、ローカルなプロモーションにつなげる仕組み。

出典:世界初のローカル仮想通貨が英国の地方都市で導入される | Techable(テッカブル)

住民がボランティア活動などを通じて得た「Hullcoin」は、地元の加盟店で利用できるほか、家族や友人に譲渡することもできる。

出典:世界初のローカル仮想通貨が英国の地方都市で導入される | Techable(テッカブル)

「ポイントというほどインセンティブ性は低くなく、かつ利便性に優れたもの」という点で、仮想”地域”通貨は使い勝手がよかったのかもしれません。

このHullcoinが実質どのようなものなのかが完全には不明瞭なので仮想通貨と言っていいのかトークンというべきかで悩むところですが、、、

ブロックチェーンを用いることで、誰がどのようなボランティア活動をしたか、などが明確になりますし、そうすることで今後の地域の活動の見直しにもつながります。

また、ボランティアをする住民側としても、インセンティブが働くので、地域に貢献すればするほどメリットを享受することができます。

その他、これまでご紹介した仮想”地域”通貨

日本の地域仮想通貨のお話。とくに「さるぼぼコイン」が有名▼

ロシアルーブルの金利と経済封鎖の呪いから離れるべく地域仮想通貨を作ったお話▼

物々交換サービスを無償でやっていけなくなって独自仮想通貨を導入したパターン。ある意味「地域通貨」▼

歴史にみる「地域通貨」の有用性

こうしてみると、地域通貨の存在はつい最近発生したかのように感じますが、、、

実はそうではなく、かなり前から存在しています。

そして危機的な状況でその価値を発揮してきました。

アメリカの「スクリップ」です。

1930年代のアメリカは大恐慌の時代で、それまで信じられていたお金が信用を失い、社会は大混乱を極めました。

しかし、そこに人がいる限り需要も供給も確実に存在しました。

出典:アメリカ、スイスの例から見る「地域通貨の可能性」 | 富裕層向け資産防衛メディア | 幻冬舎ゴールドオンライン

そこで人々は相互支援・互酬の仕組みとしてスクリップ(仮証書)を考案し、通貨の代わりとして活用したのです。

出典:アメリカ、スイスの例から見る「地域通貨の可能性」 | 富裕層向け資産防衛メディア | 幻冬舎ゴールドオ