【超絶朗報】クラウドファンディング ビットコイン使用可能に

インターネットのポテンシャルを大いに活用した資金調達法であるクラウドファンディングが欧米のみならず日本でも急速に普及し、それを通じてさまざまなプロジェクトが成功を収めています。クラウドファンディングが登場していない時代であれば日の目を見ることもなかった商品やサービスなどが世に出回るとともに、それらに出資した人たちも有形無形の恩恵を受けています。

しかも、極めて画期的な決済手段としてここ10年足らずのうちに急ピッチで普及してきたビットコインを用いれば、クラウドファンディングの可能性はいっそう高まっていくと言われています。現にそのような動きが具体化しているので、ここで解説していきます。

クラウドファンディングとは

クラウドファンディングは造語であり、「群衆 (crowd)」 と「資金調達 (funding) 」という言葉に分解できます。それらが有する意味からも察しがつくように、インターネットを通じて広く一般大衆から特定のプロジェクトを実行するための資金を調達することを意味しています。プロジェクトを企画している人はインターネット上で資金提供を募り、応援したいと思った人たちがそれに応じます。そして、プロジェクトが無事遂行されると、資金を提供した人たちは有形無形のリターンを得られるというものです。

欧米で生まれたこのスキームはグローバルに普及し、日本でもさまざまな方面での活用が始まっています。アーティストや技術者、起業家、女性の自立の支援から不動産活用、防災、政治運動などといった多種多様なジャンルにおいて、クラウドファンディングによる資金調達が浸透しつつあります。

クラウドファンディングは、①寄付型、②投資型、③融資型、④購入型の4つに大別できます。順を追って説明すると、寄付型はその名の通り、見返りを求めずに資金を援助して活動を応援するものです。

投資型はプロジェクトで得られた収益を出資額に応じて出資者へ分配する形式になっており、企業が自社株(まだ株式市場に上場していない未公開株)を購入してもらって資金を調達する株式型クラウドファンディングもその中に含まれます。

融資型は支援の見返りとして出資額の所定の割合に相当する利息が得られるというもので、ソーシャルレンディングと呼ばれることもあります。

残る購入型は、モノやサービス、権利などを割安で購入してもらうことです。それらの提供者は資金を獲得できる一方、ユーザーはそれらを割安価格で得られるというWinーWinの関係になっています。

では、出資する側の立場から見て、4つのタイプの中でも特に要注目のものはどれなのでしょうか? 人それぞれで受け止め方が違うので一概には言えませんが、やはり出資に見合ったリターンが明確なもののほうが比較的多数に受け入れられやすいのではないでしょうか? すなわち、投資型や融資型です。

金銭面に関して寄付型は、寄付金控除を受けられる(その分だけ納税額を抑えられる)といった特典しか得られません。また、安く手に入るとはいえ、購入型は日常の消費行動との境界が明確ではないのも確かでしょう。

もちろん、投資型はプロジェクトの進展次第では、期待していたリターンを得られないケースもあります。また、融資型も資金提供を受けた個人や団体からの返済が滞るというリスクを抱えていることも確かです。

実は、クラウドファンディングの原型とも言えるものは、海外のみならず日本においても昔から存在していたようです。その一例が「勧進」で、本来は仏道修行に励むことが功徳と説いて信者を勧誘するという意味合いの言葉でしたが、平安時代の末期から焼失したり老朽化したりした寺社の修復・再建・修理のために寄付金を集める手法として広がり始めました。今はインターネットを通じてもっと広域に出資を募り、もっと大きな資金を獲得できるようになったわけです。

クラウドファンディングにビットコインを導入した経緯と今

このように普及が進んでいるクラウドファンディングですが、決済手段としても急速に台頭してきたビットコインを活用すれば、そのポテンシャルがいっそう引き出されるとも言えそうです。つまり、日本円やドルといった法定通貨のみならず、ビットコインでも出資できるようにすれば、さらに巨額の資金を集められる可能性が広がるということです。ビットコインならコストも割安で、円滑かつ安全な送金が可能となります。

現に、クラウドファンディングの最前線ではビットコインの活用が始まっています。たとえば、2018年2月に募集された筑波大学・落合陽一准教授のクラウドファンディングプロジェクトでは、日本円に加えてビットコインでの寄付が可能となりました。その窓口となったのは日本で初めてクラウドファンディングサービスを立ち上げ、同分野で国内最大手となっているReadyforです。これは国立大学が実施した初のクラウドファンディングで、ビットコインなどの仮想通貨による寄付を導入したことでも初めてのケースとなりました。

集まったビットコインは、円に転換されたうえですべて筑波大学へ寄付されるとのことです。ちなみに、プロジェクト名は「デジタルネイチャー『計算機的多様性』の世界へ」です。寄付に応じた人は寄付控除と呼ばれる税制上の特典(寄付額に応じた節税)が得られます。また、寄付額によっては落合准教授の研究室オフ会に参加したり、同准教授の出張講演を受講できたりといった特典を得られます。結局、このプロジェクトには300人を超える人から寄付金が寄せられ、目標額を大幅に上回る1,900万円超を獲得しました。

また、クラウドファンディングのプラットフォームであるCAMPFIREも、2017年9月12日からプロジェクトを支援する際のビットコインによる決済を可能としたと発表しました。利用限度額が定められているクレジットカードでは難しかった高額支援や海外からの支援を可能とするのがその目的とのことです。

他にも、2017年12月にはスマートコントラクト事業を手掛けるbacooがアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)のイーサリアムで決済できるクラウドファンディングサイト・REALBOOST)のβ版を公開するなど、この分野においてもビットコインをはじめとする仮想通貨がじわじわと浸透しつつあります。

海外でも同じような動きが見られ、たとえばチェコのガス・エネルギー会社であるプラハガスは、クラウドファンディングによる事業資金の調達において、ビットコインをはじめとする仮想通貨での出資も受け入れる方針だと同国のニュースサイトが報じています。プラハガスは首都・プラハやその周辺で新たな事業を展開するために、チェコの法定通貨であるコルナと仮想通貨の両方で資金提供を受け付けるそうです。また、同社は提供するサービスの決済方法にも仮想通貨という選択肢を加える予定です。

ちなみに、同国は国家としても、仮想通貨の台頭に対して警戒心は示していない模様です。中央銀行のチェコ国立銀行は2017年8月に、「ビットコインのような仮想通貨は従来の銀行制度に対して脅威を及ぼさない」と断言するコメントを発表したそうです。

内外におけるこうした動きは、まだプレステージの段階にすぎないかもしれません。仮想通貨は決済において極めて高い利便性を誇っているわけですし、インターネットというデジタル空間で展開しているクラウドファンディングとの親和性が高いのは、当然とも言えることでしょう。いずれにしても、今後はさらにこの分野でビットコインなどの仮想通貨を活用する動きが勢いを増す可能性が考えられます。

変わり種としては、ビットコインの投資戦略サービスを立ち上げるためにクラウドファンディングで資金調達を図るという試みがあります。金融プラットフォームを開発しているSmart Tradeは、「AI(人工知能)による仮想通貨の投資アルゴリズム開発」のために、投資型のクラウドファンディングによる資金調達を実施しました。

出資すると、同社の新株予約権が得られます。3〜5年後の株式市場上場をめざしているといい、それが現実となれば、出資者は株価上昇によるリターンを享受できる可能性があります。調達金額7,000万円で、出資は1口7万円でしたが、一次募集はもちろん、二次募集も即座に枠が埋まってしまう人気ぶりだったそうです。

ビットコインでクラウドファンディングに出資する前に知っておきたいこと

すでにビットコインなどの仮想通貨を保有している人は、ここまでの記事を読んでさっそく何らかのクラウドファンディングに出資してみようと考えたかもしれません。ただ、その前にもう少し詳しく、クラウドファンディングのスキームについて知っておいたほうが良さそうです。

クラウドファンディングでは、資金調達の目標額とその期限がプロジェクトごとに設定されています。では、それが未達に終わった場合はどうなるのでしょうか? 結論から言えば、その場合は出資者にお金が返還されるケースが主流です。

出資を受ける側の立場から見ると、目標額以上に達した資金はすべて自分のものとなり、一切返還する必要がありません。しかし、未達だった場合は一銭たりとも受け取ることができないのです。「成功時実施型(All or Nothing)」と呼ばれる方式で、クラウドファンディングの大半はこのスキームになっています。

一方、目標金額に達しなかった場合でもプロジェクトのための資金を受け取ることができる「実施確約型」というタイプも存在しているものの、少数派にすぎないと言えるでしょう。「資金調達が想定以下であってもプロジェクトを遂行できるだろう」とクラウドファンディングの運営者が確信できる案件に絞られてくるからです。すでにプロジェクトが進行中であったり、プロジェクトのリーダーに卓越した能力・実績が備わっていたりして、出資者の期待を裏切る可能性が低いものしか「実施確約型」を選択できません。

なお、ビットコインなどの仮想通貨でクラウドファンディングに出資する際には、いずれのタイミングのレートが適用されるのかについても、あらかじめ確認しておいたほうが良さそうです。たとえば先出のCAMPFIREの場合は、「ビットコインで支払う」というボタンをクリックして決済を実行した時点のレートが適用されます。

まとめ

クラウドファンディングと仮想通貨の可能性は無限大!?

インターネットを通じて広く一般大衆から特定のプロジェクトを実行するための資金を調達するクラウドファンディングはすでに欧米社会に浸透しており、日本でもここ数年のうちに急速に広がってきました。そして、その出資方法の選択肢に、ビットコインをはじめとする仮想通貨が加えられ始めました。

ビットコインなどの仮想通貨は低コストでより手軽に送金できるだけに、当然とも言える時代の流れかもしれません。今後はさらにそういった事例が増えていく可能性があり、さらにその先には、出資の見返りとして得られたリターンも仮想通貨のまま受け取って、法定通貨に交換することなく日常生活に用いるといった時代が待ち受けているのかもしれません。